<オールド ノリタケとは・・・>

日本が長い鎖国から目覚め、世界へ新しい未来を描きはじめた躍動の時代、明治。 陶芸の世界でも、海外へ雄飛しようと夢を抱いた人々が苦労の末に見事な陶磁器を作り上げ、 それらの輸出品は西洋人の心を魅了していきました。

オールド ノリタケと呼ばれる多彩を極めた陶磁器は、明治の半ばから昭和初期頃まで、 ノリタケ・カンパニーの前身「森村組」や「日本陶器合名会社」が アメリカを中心に海外に送り出した製品をさしています。

オールド ノリタケの魅力のひとつにデザインの多彩さがあげられます。
食器、花器、飾り皿など形が多彩な上に、和風、洋風、ロココ風、アールヌーヴォーやアールデコ調、 風景画やインディアン、エジプト模様、ポップアート風など実に彩り豊かな展開を見せています。
日本人の手先の器用さに加えて、職人たちの丹精こめた手書きのよさが発揮され、西洋スタイルでありながら、 どこかしら日本人の感性が脈打っている、独特の味わいが感じられるのが、人気の要因です。


<裏印からわかる、「ニッポンもの」と「ノリタケもの」>

代表的な裏印より、生産時期などを推定することも可能です。
アメリカでは、裏印により、「ニッポンもの」と「ノリタケもの」と呼んで区別しています。
1898年以前、ノーマークでもよかったものが、1890年にアメリカの関税法が改正されて原産国を表示することが 義務付けられたために、裏印に NIPPON と表示されるようになりました。しかし、その後、NIPPONは 英語ではないとして、1918年(大正7年)にJAPANに変更を指示しました。1921年以降、裏印は  NORITAKE JAPAN と変わりました。
現在、アメリカのコレクターズクラブも、ニッポン・コレクターズクラブとノリタケ・コレクターズクラブで 分かれて活動しています。



<参考図書>

「オールド・ノリタケ」平凡社 コロナ・ブックス編集部 編 本体 1,524円
「私のアンティークNO.17 2000年早春号」Gakken 本体 1,200円